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大人の夏休み

「今週末、お休みいただきます。」

そんな、フランクな感じで休みたい。そう思い立ち、500円玉貯金箱をひっくり返して旅に出ました。瀬戸内の島へ。

見渡す限り美味しい空気と自然!
直島と豊島の二泊三日旅。
人との繋がりをありがたがったり
時々びっくりしたり
時々助けてもらったり。

中でも1番印象的な出会いだったのは
豊島の民宿のオーナーさん。

夕食を民宿内の食堂で食べていると
無邪気な顔で近づいてきて
「綺麗な星を見せたる!」と
豊島で1番高い山の頂上に
連れて行ってくださいました。

東京でそんな出来事があったら
「知らない人について行っちゃダメでしょ!」ならぬ、「知らない人と山に入っちゃダメでしょ!」と叱られるところですが、なんだかオーナーさんの無防備で無垢な提案に嫌な気が全くしなかったんですよね。野生の嗅覚?で「悪い人じゃなさそう」と嗅ぎ取った感じ。

オーナーさんは、ご親切に
頂上に到着する前に対岸の高松の夜景が一望できるスポットにも連れて行ってくださるという大サービス!もちろん、山頂から見る星空は今までの人生で1番の大きな夜空でした。やぐら?のようなものもあり、そこに登って友達とオーナーさんと寝転がって流れ星を探すゲームが開幕。…ロマンチックでしょ?(笑)流れ星を4つも見つけてしまいました。( ラッキー! )

といったわけで、この星空ツアーでは、生い立ちも生き方も全く違うオーナーさんとたっぷり2時間は話し込みました。( あっという間に! )

なかでも、心に響いた言葉を忘れないようにメモがてらここに書いておこうと思います。

島で生まれ、島で育ったというオーナーさんが私たちにしきりに言っていたのが「こっちに移住してみぃ」という言葉。「いやいや、コンビニないと生きていけないよ〜」なんて弱音を吐く私たちにこう言ったのです。( 豊島にはコンビニがありません )( ちなみにタクシーは島に一台だそう )

「こっちにきたら、みんな何かしらやらないと生きていけん。仕事も多くはない。家具を買おうにも通販じゃ送料が高いし、時間がかかるから自分で作るほうが早いし、食料もわざわざ岡山や香川に買い出しに行かないとない。生きてるだけで「てんやわんや」なんよ。」

そして、オーナーさんはそういう暮らしの方が「豊かだ」と言うのです。オーナーさんは、はにかみながら自分の携帯ケースを取り出し「これも作ったんよ」と見せてくれました。それは、皮に彫刻で細かい模様が彫られており、売り物顔負けの出来でした。「民宿やりながら、革細工を趣味でやっとんよ」と話すオーナーさんの顔は、月明かりに照らされたほくほくの笑顔でした。

なんだか、私は気づかないうちに
自分の幼少期に学んだ「欲しいものは自分で作る」という原点から遠ざかっていたんだな、と心がしゅんと鳴りました。たしかに今の私の「てんやわんや」よりもオーナーさんの言う「てんやわんや」の方が楽しそうに見えました。

帰り道、真っ暗で何も見えない山道を
なんの迷いもなくスイスイとハンドルを切るオーナーさんをみて人間の逞しさを透かしてみた気がしたのです。

東京に戻り、ちょっと体内の血液を入れ替えた私はこつこつと「楽しいてんやわんや」を始めています。曲も、文章も自分が思う「楽しい方」へ。少しずつ。ゆっくりと。


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SETA 公式note

singer "song & novel" writer  岡山生まれ 本の虫

SETAの日々煩い

エッセイ、読書感想 etc.

コメント1件

そういう『血液』の大循環も大事なんだなぁ。素敵な旅だったのですね。
そんな旅をしてみたいなぁ…
否、今度しよう!
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