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最近読んで面白かった詩集

詩を嗜む人ってどんな人だろう。と考えると、ウイスキーを片手にロッキングチェアに揺れている……そんな人を想像していた。言葉は少なくなればなるほど読み手の理解力が試されるので、詩を読み解くというのは、私にとってかなり難易度の高いものだった。しかし、ここ最近詩集を読むようになってから、イメージが変わってきた。小説を読む時、私は物語の中心人物になるのに対して、詩を読む時の私は自分と向き合っているような感覚になる。つまり、好きと嫌いがはっきりとわかり、主導権を握っているのが読者である自分なのだ。それは、ものすごく「自由」な体験で楽しい!

今日は、そんな「自由に楽しめる」詩集を紹介したいと思います。「最近読んで面白かった詩集」とありますが、全然最近の物じゃない物も含まれています。その点は、どうぞお許しください(笑)

no.1「100年後 あなたも わたしもいない日に」文 土門蘭 絵 寺田マユミ

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イラストと絵が出会い、お互いの良いところを最大限に生かした詩集。わかりにくい、という詩のイメージを覆してくれるわかりやすさ。そして、人間の生活の中にある切なさと暖かさをイラストで可視化してくれており、心がぐっと熱くなります。バックにそっと忍ばせて、力尽きそうな夕方に読みたいそんな一冊です。

no.2「地球の上でめだまやき」山﨑るり子

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作者の山﨑さんが詩を書き始めたのは45歳の頃。子供3人の育児がひと段落し、自分の手を眺めるとそこには、自分には何もないという「孤独」があったそう。そこから詩の投稿を始めたというエピソードからその本を読むと、しっとりとした母の匂いを其処彼処に感じます。子供、焦り、幸せ、孤独……身近にある題材が多いので、想像がしやすく、作者の選ぶ言葉のまぁるい気配に癒されます。今年は、帰省ができなかったという方にお勧めしたい一冊です。

no.3「適切な世界の適切ならざる私」文月悠光

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18歳、最年少で中原中也賞を受賞した詩集。自分が18歳の頃を思い出すと、こんな言葉知らなかったぞ!とか、こんなこと考えたこともなかったぞ!と、当たり前ですが文月さんの脳内にひれ伏します。思春期の戸惑いや、葛藤、そしてちょっと背伸びした少女と女の行き来………女性であれば一度は通ったことのある気持ちが詰まっています。少しわからない言葉が多かったので、私は意味を調べながら読みましたが(笑)感覚で読むだけでも少女だった自分と再会できるはずです。

no.4「光る砂漠」矢沢宰

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この一冊は、父から譲り受けたもので10代の頃から何度も読んでいる大切な一冊です。作者の矢沢さんは、14歳から詩を書き始め、病気と闘いながら21歳で亡くなりました。しかし、この方の書く詩はどれも命の輝きがキラキラとしていて、死の影に触れながらも、生きるパワーを感じるものばかり。以前、「SETAのオールナイトニッポンi」にてnoteの加藤貞顕さんにお薦めしましたが、生きづらいこの時代にこそ必要な一冊だと思います。

以上!「最近読んで面白かった詩集」でした。皆さんのお勧め詩集がありましたら、ぜひ教えてください。それでは、また!

SETA

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歌絵文作家 岡山生まれ 本の虫