見出し画像

離れていれば

離れていれば
思いやることができるのに
近くにいれば
曖昧に接して甘えてしまう。

学生だった時、何が気がかりだったかって、
単位と、友達との会話。
毎日一緒にいたら、話題だってなくなる。
今日は無言で昼ごはんを食べることがありませんように、って授業が終わるまで願ってた。

実家にいた時、何が憂鬱だったかって、
家族に勝手に部屋に入られた時と夕ご飯。
毎日一緒にいるから、不満だって溜まる。
今夜は無意味な喧嘩で気まずい思いをしませんように、って帰り道が終わるまで願ってた。

友達と離れてみたら
最初はすごく寂しくて
SNSのストーリーを眺めては
そこに自分がいない事が悲しかった。

家族と離れてみたら
夜中のトイレはすごく怖くて
コンビニのご飯ばかり食べていることに気付いては、仕送りの段ボールを眺めていた。

でも、しばらく経つと
離れていることにも慣れてくる。

私の知らない人たちと仲良さそうに
楽しんでいる友達の写真を見ても
心につっかかることもなく
いいね!を押すし
家族がいなくても一人で寝れるし
節約することを覚えて
それなりに料理もできるようになった。

離れているから、会いたいと思えることに気づいた。

なぁんだ、離れている方が
私たちうまくいくじゃんか。

今年も、時々友達と集まっては
馬鹿らしいエピソードを持ち寄って
同情したり、思いやったりする。
家族とも、一年に一度は旅行に行って
将来のことを話し合ったりする。

離れているから、想いは強くなって
次会うときまで死ぬわけにはいかないなって
わたしの命に喝を入れてくれる。

距離って、人を柔らかくするのね。

画像1

SETA

15
singer "song & novel" writer 岡山生まれ 本の虫

こちらでもピックアップされています

SETAの日々煩い
SETAの日々煩い
  • 211本

エッセイ、読書感想 etc.

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。