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お花の時給

先日、お花にちょっと奮発した。これでもかというくらい花びらの付いた存在感大のお花。

お値段を店員さんに聞くと「1本600円」と言われる。むむぅ…高い。とはいえ、花も季節によって変わってしまうし出会いなので購入。花は、リビングの一番目立つところに置いた。

しかし、この花、散りかたがなんとも不吉な散りかただった。どっぷりした花びらがいきなり「ぼとっ」と音を立てて落ちる。しかも、一枚ずつではなく数枚まとめて落ちる。花を置いた机で仕事をしているので、目の前に置いた花がちょっとした振動で落ちるたび、なんだか悲しい。パソコンに文字を打ち込んだら、また落ちた。悲しい。

そして、3日後にはほとんどの花びらは落ちてしまった。はじめは一本600円を「高い」と思った花だけれど、全力で咲いた三日間を単純に計算すると一日200円。24時間体制で咲いてくれたので24で割ると8.3333...円。あられもない姿になったその花を眺めながら、ふと花の時給を考えた。

8.3円の時給で、こんなに綺麗に咲いて、大胆に散ってくれたんだ。そう思うと私の脳裏には、波乱万丈な人生を駆け足で生きた花の、散る前の姿が浮かぶ。

ありがとう、お花さん。
そして、次またお花屋さんで出会ったら600円だろうが、700円だろうが、また買うからね。そんな気分になった話。お花の時給の話。


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singer "song & novel" writer 岡山生まれ 本の虫

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