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最近読んで面白かった本

突然ですが、皆さんは「他人なのにわたしのようだ」と誰かに対して思ったことはありますか?例えば、太宰治さんの「人間失格」を読んだときに「ここに自分がいると思った」と回答する人は多いと思います。時代は違えど、人間がもっとも共感するのは綺麗な物語より、気軽に打ち明けられないような愚かさや弱さだったりするのかもしれないなぁ、と思う今日この頃。ということで、今回はそんな共感度マックス!人間臭さと青臭さ、オール感謝祭!…そんな本を集めました。

No.1「推し、燃ゆ」宇佐見りん

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こちらは、芥川賞を受賞した一冊。主人公の女の子は、「ふつうではない」女の子。勉強や、身の回りのこと…ふつうの人なら当たり前にできることがうまくできません。そんな彼女の支えは、とあるアイドルグループのメンバー(推し)。推しは、彼女の背骨であり生きる理由のような物でしたが、ある日、推しがファンを殴り炎上します。そのことを発端に、彼女の生活も変わり始め………。この物語の軸にあるのは「自尊心の見つけ方」。自尊心の少ない主人公が、ずるずると自分を引き摺りながらも生きていく姿に共感が止まりません。

No.2「デッドライン」千葉雅也

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哲学とゲイと生きることと………一見、それって交わるの?!と思ってしまう一冊。大学院にて哲学を学ぶゲイの主人公は、修士論文を書きながら、ハッテン場と呼ばれるゲイ独自のコミュニティにて男たちと行きずりの出会いを楽しんでいます。迫りくる修士論文のデッドライン。それなのに、論文はなかなか書けません。自分とは何者なのか?考えても、魚のようにするすると手のひらから逃げていく主人公の感覚には、誰しも身に覚えがあるかと思います。哲学部分は難しいですが、文のパンチと共感の調合が見事でした。

No.3「万引き家族」是枝裕和

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こちらは、大ヒット映画「万引き家族」としてご存じの方も多いはず。映画も原作も読んだわたしとしては、やはり原作のこちらをお勧めしたく思います。あるところに、一見ふつうの家族に見える人たちが暮らしていますが、実は彼らは血の繋がりはなく、万引きをしたりしながら生活をしています。そんな彼らの生活が、いつまでも続くはずもなく………思春期の時に「血が繋がっているからってなんだ」と一度は思ったことがあるはず。家族とは何か?家族が家族であるために必要なのは何か?痛いところをズバズバと切ってくれる一冊です。

さて、今回は共感度マックスの人間臭い物語を紹介しました。真実は美しさより、影の中にある…………と思っているわたしのような捻くれ者に、きっと心の底まで染み渡る本たちです。気になった本があればぜひ読んでみてください。それでは、また!

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読書感想文

歌絵文作家 岡山生まれ 本の虫