最近読んで面白かった本
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最近読んで面白かった本

物語を読んでいると、それがフィクションだとわかっていてもハッとさせられる瞬間があります。それは、自分に身に覚えがある感情だったり、今まで忘れたことにした過去だったりして、主人公と共に物語という旅路を終えると、ちょっと強くなった気持ちになるもんです。そんな、読み終わった後「わたし、変わった気がする」と感じさせてくれる物語たちを今回は集めてみました。

No.1「82年生まれ、キム・ジヨン」チョ・ナムジュ

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この本はものすごく話題になっていたので、もしかするともう読んだという方も多いかもしれません。ある日、主人公のキムジヨンさんは母親や友人の人格が憑依したかのような言動を繰り返すようになります。そして、精神科の受診を受ける中で、彼女の人生を紐解いていく……そんな物語です。女性であるが故に、ごく当たり前のように受けてきた差別や、苦悩を隠すことなく描かれているので、もしかすると男性には耳の痛い場面も多いかと思います。ただ、女性としては国は違えど「女性だから仕方ない」と諦めた経験が、「本当に仕方なかったんだっけ?」と問いかけてきてハッとさせられます。全ての女性の背中を押す一冊です。

No.2「悲しみよ こんにちは」フランソワーズ・サガン

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タイトルは聞いたことがあったものの読んだことのなかったこちらの本。なんでもっと早く読まなかったんだ!と後悔したので、紹介します。主人公セシルは17歳の夏、かもめの父レイモンと、父の愛人のエルザと南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになります。そこで、彼女は大学生のシリルと恋に落ちます。そんなある日、亡き母の友人アンヌが別荘に合流。父がアンヌとの再婚に走り始めたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つのでした………もう、三角関係どころかレイモンさんモテすぎでしょ!と絡み合う人間関係も凄いのですが、一番惹きつけられるのはやはりセシルの17歳のみずみずしさです。当時18歳だった作者が書き上げた処女作ということで、思春期の今にも破裂しそうな繊細さと大胆さが見事に落とし込まれています。10代の自分と出会える一冊です。

No.3「君が夏を走らせる」瀬尾まいこ

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不良少年だった主人公大田は、中学校駅伝に夢中になって高校でも走ることを夢見るが、挫折し、ろくに高校も行かず、なんとなく日々を生きていました。そんな彼に、先輩から一本の電話が入ります。聞けば1ヶ月ほど一歳の娘鈴香の子守りをしてくれないかと言うお願いでした。断りきれず引き受けた大田が、鈴香との生活の中で生きる気力を取り戻していく物語です。努力をすれば、夢は叶うわけではないけれど、夢は一つじゃなく、作り出せるものなのだとこの物語を通して学んだ気がします。そして、子供のあの真っ直ぐさが、傷ついた大田の心を癒していく様子が、なかなかジーンとさせてくれます。決して押し付けることなく、読者の背中を押してくれる優しい一冊です。

さて、今回はハッとさせられる本を3冊紹介しました。ぜひ、気になるものがあれば手に取ってみてください。そして、面白い本があればぜひコメントにて教えてくださいね!では!また!

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歌絵文作家 岡山生まれ 本の虫