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わたしという生き物

過去の自分の日記を見ると、まるでタイムスリップしたかのような気持ちになる。もう10年ほど書き続けているから、もはや分厚めの物語のようだ。支離滅裂だったり、感情的だったり、業務的だったり、歓楽的だったりしてまとまりがないので、自分ですらたまにしか読まない。

もちろん、自分の話なので
「素晴らしい人と恋に落ちた!」と
日記に書いた数ヶ月後の
悲惨な結末も知っている。
自分自身が、ネタバレなのである。

そんなわたしの日記に
おうち時間、が本格化してから
もう数週間が経って
小さな変化が現れた。

今までは、習慣として書いていたので
テレビを見ながら書いたり
ご飯を食べながら書いたり…
心ここに在らずでもとにかく
習慣だから、書いてきた。

しかし、かつてこんなに長いおうち時間を過ごしたことはあっただろうか?あったとしても、その理由が目に見えない敵との戦いだったことは一度もない。

ということは、日記にこの状況を乗り越える対処法や心の変化の記録を未来のわたしへ残すべきなのでは?と思い立った。

まず、いつも「今日は朝早く起きれた」か「今日は二度寝してしまった」という決まり文句で始めるのをやめた。「今日は晴れてて気分がいい」とか「生ゴミを出し忘れて気分が落ち込んでる」とか心に注目して書こう、とひとまず決めて数日間日記を書いてみた。

すると、文章の集まりが、今の気持ちのコラージュみたいになってきた。

例えば、ある日の朝は
すごく穏やかな気持ちで白湯が染み渡る幸せな朝だったのに、昼は宅急便が届き、中を確認すると注文ミスで違う商品が届いたことから気分がどんどん落ち込み、夕方に林檎をしゃくしゃくかじっているとだんだん昼間の失敗がどうでも良くなり、夜お風呂に入るときアロマオイルを垂らしてみたら幸せな気分でベットインできた。

素直に心の動きを文字にすると生き物の観察日記みたいになってとても面白い。人に会ったり外に出たりしていないので場面は全て部屋の中。尚更生き物観察っぽさが増す。

わたしは能天気で繊細で情熱的な生き物のようだ。

もうしばらく、わたしという生き物観察を続けてみようと思う。この状況を乗り越えた未来の自分へ、ちゃんと届けていけるように。

SETA

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singer "song & novel" writer 岡山生まれ 本の虫

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