
ふしぎなはなし
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ふしぎなはなし
怪我に気づくまで痛くなかったのに
気づいた途端火がついたように痛くなること
新しいことを覚えると
昔のことをひとつ、忘れてしまうこと
好きだったひとの話は
いつ聞いてもむず痒いこと
ふしぎなはなし
ペットボトルで飲むよりも
グラスに注ぐお茶は美味いこと
立ち直れないと思ったことも
意外と立ち直れてしまったこと
待つのも待たせるのも辛いということ
一緒にいる人によって
時間が伸び縮みすること
どれも、科学じゃ説明できない
ふしぎなはなし。
ひとの心についた触覚のおはなし。
SETA
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歌絵文作家 岡山生まれ 本の虫