SETA 公式note
2020/12/29 20:05
空を見上げるとああ、遠い、と思った16歳、煮えたぎる夏のまんなかで恋人との諍いも傘を盗んだことも親にはいえないような女の子たちの語らいも空から見下ろせばああ、遠い、と思うのだろうかいま、東京の空を見上げるとああ、狭い、と思うビルに押し潰された空も世の中も友達の友達が実は同僚でお隣さんと同じ病院に通うニュースはいつも同じ話題でみんな何かに怒っていた空から見下
2020/12/27 20:16
「ああ、この前のお茶ありがとう。おいしかった」目の前には、開けたばかりの段ボールと大量のお茶のパッケージがある。その中から一つ取り出して、パッケージに書かれた説明を見ながら母と電話をしている。まだ飲んではいないのだけれど、ここ最近仕事が忙しくて段ボールを開封するまで日にちが空いてしまった。罪滅ぼしの嘘だった。「よかった。あれ、○○って店で見つけて、一つ一つ手作業で作ってるんだって」「ふぅん、
2020/12/24 20:13
わたしはいま抱きしめたい去年の終わりに未来が見えたならすれ違う人すべて抱きしめたのに春には 手作りマスクを作り夏には 暑さでマスクと死闘した秋には それが当たり前となり冬には 誰も何も言わなくなったいつから母の胸に飛び込むのが恥ずかしくなったのかもう忘れてしまったみたいに友達と酔った中目黒外国人みたいなハグをしてふわっと香ったシャンプーの匂いももう忘れてしま