SETAの日々煩い

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妄想日記「学校に忍び込む夢を見る」

三村さえ子 17歳 高校生

3限目と4限目の間の移動教室。職員室の前の廊下ですれ違った女の子から、強い金木犀の香りがした。金木犀が香るとしては早すぎる。おそらく、彼女は校則で禁止されている香水をつけているのだろう。「ああ、きっとあの子は3点減点ね」とさえ子は思う。続けて「まあ、減点されても朝の清掃活動を3回やれば取り返せるとでも思っているんでしょ」と心の中で呟いた。さえ子には、そこまでして校則を

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妄想日記「黒いジャケットと紫のスカート」

安田聡子 31歳 フリーランス

「さとちゃん、黒いジャケットも持ってないの?」

昨年、結婚を機に退社し、今はお腹の中に新しい命もいる私の幼馴染兼親友のともちゃんが言う。

「だって、持ってても使わないもの」

「それ、持ってないから使わないだけだよ。現に今、黒いジャケットを私から借りようとしてるのはどこの誰よ」

こういう時のともちゃんは、お母さんみたいになる。私は、彼女の膨らんだお腹を見て、

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