SETAの日々煩い

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楽描き「きれいになりたい」

別に、ケイトモスに
なりたいわけじゃないの

筋肉のついた細い足
まっすぐ割れた腹筋
それでいてチャーミングなからだ

そんな風になりたいわけじゃないの
高望みだってわかっているから

それなのに、ジムで汗をかく
重い鉄を抱きしめて
膝を曲げたり伸ばしたり
動かない窓の景色を前に
ハムスターみたいに走る

別に、ケイトモスに
なりたいわけじゃないの

だけど
きれいになりたい
1ミリでも
きれいに

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楽描き「どちらの方が好きか論争」

ふりかえっちゃいけないよ
デートの後に
ふりかえっちゃいけない

わたしがふりかえったのに
あなたがふりかえらなかったら
わたしの方が好きみたいで
ジリジリとしてしまうから

繋いでいた手を解いて
じゃあね、と言った時
まだもう少し、と思う
あなたはそう思わない?

ジリジリとしてくる
メソメソとしてくる
やれやれと思う

くるりと体を反転させて
わたしは歩きはじめる
あなたの歩く一歩一歩を
聞き

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楽描き「5年後の私に」

タイムスリップできるなら
過去と未来どちらを選ぶ?
そう聞かれて 過去を選ぶとき
それは未来が不安なときだ

久しぶりの仲間と同窓会
あの頃は、の話題で
持ちきりなのは
過去にしか僕らがいないからだ

バブルを知らない私に
バブルの様子を語り継ぐ先輩たち

こんな風に
お金を使って
あんな風に
踊り明かしたんだ、と

コロナを知らない子供たちに
いつか私も語り継ぐのだろうか

こんな風に
マスクを

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楽描き「空から見下ろせば」

空を見上げると
ああ、遠い、と思った
16歳、煮えたぎる夏のまんなかで

恋人との諍いも
傘を盗んだことも
親にはいえないような
女の子たちの語らいも

空から見下ろせば
ああ、遠い、と思うのだろうか

いま、東京の空を見上げると
ああ、狭い、と思う
ビルに押し潰された空も世の中も

友達の友達が実は同僚で
お隣さんと同じ病院に通う
ニュースはいつも同じ話題で
みんな何かに怒っていた

空から見下

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楽描き「抱きしめたい」

わたしはいま
抱きしめたい

去年の終わりに
未来が見えたなら
すれ違う人すべて
抱きしめたのに

春には 手作りマスクを作り
夏には 暑さでマスクと死闘した
秋には それが当たり前となり
冬には 誰も何も言わなくなった

いつから母の胸に
飛び込むのが恥ずかしくなったのか
もう忘れてしまったみたいに

友達と酔った中目黒
外国人みたいなハグをして
ふわっと香ったシャンプーの匂いも
もう忘れてしま

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