SETAの日々煩い

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楽描き「きれいになりたい」

別に、ケイトモスに
なりたいわけじゃないの

筋肉のついた細い足
まっすぐ割れた腹筋
それでいてチャーミングなからだ

そんな風になりたいわけじゃないの
高望みだってわかっているから

それなのに、ジムで汗をかく
重い鉄を抱きしめて
膝を曲げたり伸ばしたり
動かない窓の景色を前に
ハムスターみたいに走る

別に、ケイトモスに
なりたいわけじゃないの

だけど
きれいになりたい
1ミリでも
きれいに

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楽描き「どちらの方が好きか論争」

ふりかえっちゃいけないよ
デートの後に
ふりかえっちゃいけない

わたしがふりかえったのに
あなたがふりかえらなかったら
わたしの方が好きみたいで
ジリジリとしてしまうから

繋いでいた手を解いて
じゃあね、と言った時
まだもう少し、と思う
あなたはそう思わない?

ジリジリとしてくる
メソメソとしてくる
やれやれと思う

くるりと体を反転させて
わたしは歩きはじめる
あなたの歩く一歩一歩を
聞き

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楽描き「抱きしめたい」

わたしはいま
抱きしめたい

去年の終わりに
未来が見えたなら
すれ違う人すべて
抱きしめたのに

春には 手作りマスクを作り
夏には 暑さでマスクと死闘した
秋には それが当たり前となり
冬には 誰も何も言わなくなった

いつから母の胸に
飛び込むのが恥ずかしくなったのか
もう忘れてしまったみたいに

友達と酔った中目黒
外国人みたいなハグをして
ふわっと香ったシャンプーの匂いも
もう忘れてしま

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