SETAの日々煩い

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妄想日記「理想のカルテ」

「あの、早く着きすぎてしまって」

「大丈夫ですよ。お名前は?」

「15時に予約していた佐藤です」

「佐藤…?(紙をめくりながらチラリとこちらを見る)」

「あ、佐藤もえです」

「佐藤もえ様ですね、お待ちしていました。こちらのカルテの記入をお願いします(笑顔だが目が笑っていない)」

「こ、これ、全部ですか?(怯えながら)」

「はい」

「ざっと、30ページはありそうですが…(訴えかけるよ

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楽描き「飛びたい翼」

今日ね、いつものお花屋さんで
一本お花をサービスしてくれたの
ちゃんとね、わたしの目を見て
いつもありがとうございますって
わたし、うれしくて、飛びたくなった

そこのね、新しくできたお店の
サンドイッチ、お日様の味がしたの
ちゃんとね、誰もいない公園で
マスクを降ろして食べたあの味は
わたし、しあわせで、笑ってしまう

わたしが好きなわたしの翼
誰にも見えないわたしの翼は
飛びたがっているんだ

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妄想日記「全部、鍋の中」その2



そこまで読んでから、私は昔の苦い記憶を思い出した。幼稚園の頃、友達だった桃ちゃんと些細なことで喧嘩した。当時好きだった、おジャ魔女どれみのキラキラしたシールを私の前にかざしながら桃ちゃんはこう言った。「私、他のシールも沢山あるから、りこちゃんにもあげるよ」そう言われた私は嬉しくて桃ちゃんの家に遊びに行くと、桃ちゃんはくるりと振り返って笑った。「やっぱり、あげない!!!!」その瞬間、火が付いた

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妄想日記「全部、鍋の中」その1

葉加瀬理子 16歳 高校生

人は大体、眠った瞬間を覚えていない。だから、夢を見ていても途中まで夢だと気づかないことがある。今夜のように、夢の始まりが現実味を帯びているときは絶対に分からない。きっと、魂が私の身体にばれないようにそおっと夢への扉を開けたんだ。

そこは、慣れ親しんだ我が家のリビング。明るくて、長持ちするLEDライトがサンサンとダイニングテーブルを照らしている。ただ、いつもと違うのは

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妄想日記「親しい友達リスト」

藤田冬子 30歳 会社員

「親しい友達リスト」ってなんだ。ある日、朝起きていつものようにインスタグラムのストーリーを見ていたら、あるストーリーの右上に勲章みたいに緑の星のマークが付いていた。触れてみると、「親しい友達リスト」と表記されている。私は、何かの見間違いかと思って目をこすった。なぜなら、そのストーリーをあげた男の人と私は知り合い以上友達未満であって、絶対「親しい」ではない。そもそも、そん

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楽描き「5年後の私に」

タイムスリップできるなら
過去と未来どちらを選ぶ?
そう聞かれて 過去を選ぶとき
それは未来が不安なときだ

久しぶりの仲間と同窓会
あの頃は、の話題で
持ちきりなのは
過去にしか僕らがいないからだ

バブルを知らない私に
バブルの様子を語り継ぐ先輩たち

こんな風に
お金を使って
あんな風に
踊り明かしたんだ、と

コロナを知らない子供たちに
いつか私も語り継ぐのだろうか

こんな風に
マスクを

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大人になっても伸び代だらけ!

最近毎日絵を描いています。
と社会人2年目らしからぬ日々を送っています。

あくまで、シンガーソングライターですが
あくまで、音楽をやってる人なのですが
このような日々がすこぶる幸せで充実しています。感謝!

そして、noteはクリエーターのためのプラットホームですし、せっかくですからこの記事でいくつかみなさんに最近の私の絵をご紹介したいと思います。最後まで…………お付き合いください!

( ちな

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26歳

よりよい人間になりたくて
自分の悪い部分を反省したり
よりよい生活のために
夜に寝るようにしたり

誰かを傷つけないために
そっと距離を空けたり
誰かと話したいから
勇気を出して話しかけたり

少しずつ変わっているはず
これからも変わっていくはず

それでも
同じ失敗を繰り返したり
ある日は良い人でいられなかったり
朝起きられなくてぐずったり

少しも変わらない日がある
これからもほんの少しはある

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その手

その手が初めてふれたものは
なんだったのだろう。

眩しさの中で泣きながら
母親の胸にふれたのか。

その手が初めて傷つくのは
どんなときだろう。

台所の縁に手をかけて
きらりと光る包丁に
触れてしまったとき。

痛みは、熱いのだと
しるのだろうか。

その手が初めて守るものは
なんなのだろう。

落ち込む友達の肩にそっと触れて
背中をさするのか。

昼過ぎに浅い眠りから覚めて
まだ未完成のかか

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うれしかったこと。

最近うれしかったことは
近所の花屋さんが
私の名前を覚えてくれたこと。

あと、お花の入荷時期を
こっそり教えてくれること。

いつも使っているスタジオで
いつもの機材を
自然に先回りして渡してくれること。

母親に電話をしたら
恥ずかしいくらい堅苦しい
あけましておめでとうございます、を
お互い言い合って変な間ができたこと。

友達に、数年ぶりに年賀状を書いたこと。

我が家のハムスターが
年末

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