SETAの日々煩い

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妄想日記「20デニールのストッキング」

野々村桃子 23歳 大学生 2020.10.31

私の元恋人たちには、ちょっと変わった趣味趣向があった。ある男性は、自分の服を私に貸したがった。彼の大きめのシャツや、パーカーを着て大学に行くと彼は満足そうだった。ある男性は、ニーハイソックスが大好きでいつも私にそれを履くことを求めた。私は「少女趣味だな」と思いながらも、ニーハイソックスを履き続けた。ある男性は、私に小食でいることを求めた。外で食事

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妄想日記「あなたより劣っていてあなたより勝っているわたし」

牧野つばさ 24歳 作家志望 2020.10.29

私は、自分の劣っているところを見つける天才だ。よく言えば、相手が自分をより勝っているところ(良い所)を見つける才能があるってことだ。例えば、百合ちゃんは美人で、スタイルが良くて、華がある。さえ子ちゃんは、お話が上手で友達が多い。明菜ちゃんは、仕事ができて収入が多い。そんな風に、どんな人でも私より勝っていて、対する私は自分の人より劣っている点に目

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妄想日記「変わったり変わらなかったりする親友へ」

小田真紀 19歳 学生 2020.10.27
電車を降りると、その街は音や物や人で溢れていた。私は、思わず立ち止まって「全然、自粛しとらんやん…」と呟くと後ろから人がぶつかってきた。慌てて歩き出すものの、今度は出口の多さにギョッとする。東口と中央東口、西口と中央西口、南口と東南口と書いている。「もう、こうなったら賭けや!」私は、心の中でそう叫んで中央東口の矢印に向かって歩き出した。

そんな私の決

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妄想日記「私の理想の日曜日」

森田繭 32歳 会社員 2020.10.25

私の理想の日曜日は、朝起きたら白湯を飲み、ヨーグルトとリンゴを二切れ食べてヨガをし、シャワーを浴びること。

けれど今朝は、起きたら二日酔いで頭がぐるぐるして一歩も動けなかった。鉛のように思い頭を持ち上げて、水の入ったペットボトルを探す。ペットボトルに残った水を飲みほしてため息をつくと、息はアルコールの匂いがする。最低な朝だ。

私の理想の日曜日は、

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妄想日記「エメラルドグリーンの夢」

橋本るり子 25歳 カフェ店員
「るりちゃんはさ、背が高いからモードな服が似合うよ」小さい時から背の高かった私は、周りにそう言われてきた。だから、いつも黒い服を着ている。それらは確かに私に「似合う」から、安心して着れるのだ。でも、楽しくはない。真黒な服しかないクローゼットは、ダースベーダーのクローゼットみたいだし、もはや日中でなければどれがどの服なのか自分ですらわからない。猫が好きでペット可のマン

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妄想日記「本気のまたね」

太田亜香里 26歳 会社員 2020.10.20

何年振りかわからない渋谷ハチ公前の待ち合わせ。友人の雪と会うのは、もう半年ぶりだ。毎月数回は遊んでいた自粛期間前と比べるとずいぶん間が空いてしまった。以前まではあったハチ公前の電車「青ガエル」がなくなって、新しい建物になっている。人混みも、以前と比べると緩やかで時の流れと変化をひしひしと感じて妙に緊張した。

「ごめん、ごめん!お待たせ!」突然、

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人見知りが密かに聴いているアゲアゲ洋楽(家呑み編)

今夜のプレイリストは「人見知りが密かに聴いているアゲアゲ洋楽(家呑み編)」です。今年は、家で飲むことの方が多かった、という方も沢山いらっしゃることでしょう。家ではあるけれど、バーで呑むみたいな高揚感も欲しい…と思っても、バー仕様にお部屋を模様替え!なんて難しい。そんな方にピッタリなプレイリストをご用意しました。ちょっと照明を落とすだけで、きっとそこはバー空間に…薄目で見れば…なんとなく…なっている

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妄想日記「開かずの踏切」

近藤彩子 31歳 会社員 2020.10.15
京王線の踏切は「開かずの踏切」が多い。「開かずの踏切」とは、そのままの意味で、踏切が全然開かないことを言う。京王線下高井戸駅に引っ越してきてから早3年。遠くの方で踏切が開くのが見えると、人生で一番早く走れる。そんな体になってしまった。

踏切が開かない生活にも随分慣れたけど、今でもたまにイライラしてしまう。それは、例えば今日みたいな雨の日。スーパーで

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人見知りが密かに聴いているアゲアゲ洋楽(ランチ編)

今回のプレイリストは、ランチ時に聞きたい洋楽をまとめてみました。自宅でお仕事をしていると、時間の区切りがなくて1日集中力を切らさないのって…難しいですよね。だから、普段私はランチの時間に「言葉のリズム」が刺激的な曲を聴いて、墜落し始めた自分の集中力に喝を入れています。

ちなみに、なんで洋楽ってすぐ「ファック」と言うんだろう…。私は英語が分からないので基本的に言葉の音だけで曲を聴くことが多いのです

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妄想日記「発明のトイレ」

高橋舞 21歳 学生 2020.10.8

今朝、トイレで凄いことを思いついた。付き合ってから5年になる賢太の誕生日サプライズについて。毎年、もう出し尽くされたサプライズ事業に頭を抱えてきたが、今年も何とか絞り出した。大きな便と共に。

サプライズの内容はこうだ。まず、持参した手作り弁当を代々木公園で食べ、「もう5年目だし、先にプレゼント渡しておくね。おめでとう。」と言って、賢太が欲しがっていたジ

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