SETAの日々煩い

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最近読んで面白かった本

新しい韓国の文学シリーズ
「ショウコの微笑」チェ・ウニョン 

高校の文化交流で日本から韓国にやってきたショウコは、主人公の家に1週間滞在した。帰国後も送られ続けたショウコからの手紙は、高校卒業間際に途絶えてしまう。そして、10年後に主人公はショウコと再会するのだが……

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最近、韓国文学にハマっているんです

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妄想日記「理想のカルテ」

「あの、早く着きすぎてしまって」

「大丈夫ですよ。お名前は?」

「15時に予約していた佐藤です」

「佐藤…?(紙をめくりながらチラリとこちらを見る)」

「あ、佐藤もえです」

「佐藤もえ様ですね、お待ちしていました。こちらのカルテの記入をお願いします(笑顔だが目が笑っていない)」

「こ、これ、全部ですか?(怯えながら)」

「はい」

「ざっと、30ページはありそうですが…(訴えかけるよ

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最近読んで面白かった本

夏の予感が漂うこの季節。窓のそばで体操座りして本を読むのがここ最近、わたしの最高のひとときです。さて、本日は窓際でゆったり読みたい「最近読んで面白かった本」を一冊紹介します。

「心寂し川」西條奈加

舞台は江戸時代。止まったまま流れることのないどぶ川「心寂し川」沿いで暮らす人々の喜びと悲しみ、希望と絶望を丁寧に描き出す一冊。一編ごとに、スポットライトが変わってゆき、最後は全ての登場人物が繋がって

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楽描き「偏った問題」

「アメリカの首都は、どこでしょう?」

「どっちだったかな」

「どっち、とは?」

「いや、NYかLAか」

「どっちでもないですね」

「え、そんな馬鹿な」

「馬鹿は、あなたですね」

「答えは?」

「ワシントンDC」

「へえ」

「次の問題です。小説家の村上春樹さんの最新作の題名は?」

「一人称単数(食い気味で)」

「…」

「あれ、ちがいますか?」

「正解です」

「やったー」

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最近読んで面白かった本

5分間で、できることは何?と聞かれてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか。洗濯物を干す、だと少し時間が足りないし、カップ麺を作ると2分余ってしまいます。意外と、厄介な長さの5分。でも、時にめちゃくちゃ助かる5分。そんな、色々な5分をテーマにした変わり種の本を今夜はご紹介します。

「雨は五分後にやんで」

5分、というテーマでバラエティに富んだ作家さんたちが短編を書いた本。そして、この本は、浅生鴨

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楽描き「好きなアーティスト」

好きなアーティストのことが心配だ
さいきん、暗い曲ばかりで
どうにも、危うい歌詞ばかりで
よからぬことばかり
わたしの頭の中で膨らんでしまう

好きなアーティストのことが心配だ
さいきん、お知らせがなくて
どうにも、うまくいってなさそうで
よからぬことばかり
わたしの頭の中を支配していく

好きなアーティストが
3ヶ月ぶりに呟いた

「ハピネス」

真っ黒だった髪の毛を
レインボーに染め上げた彼女

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最近読んで面白かった本

ご無沙汰です。

さて、本日は大人になってしまった今だからこそ読みたくなる「子供が主役の物語」を紹介します。子供は、天使のようでもあり、大人でも躊躇うような残虐的な顔もあり、その不安定さが美しさでもあり……大人の方がよっぽど単純で、子供の方が複雑な見所があるような気がします。そんな見所が満載の3冊!行ってみましょう!

No.1「 #チルドレン  」 #伊坂幸太郎

独自の正義感を持ち、いつも他人を

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楽描き「穴」

どこもかしこも工事をしている
大きな空き地に穴を掘って
大きな老人ホームを建てるんだって

大きな大きな穴だから
大雨が降ったら
大きな池になるかな
そこに金魚を離したら
綺麗だろうなって
工事が始まった時は思っていた

どこもかしこも工事をするから
窓の向こうは穴だらけ
歯を大切にしなかったら
こんなことになるのかなって笑った

久しぶりに会った父と母は
少しずつ老いているのだとわかった
久しぶ

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最近読んで面白かった本

突然ですが、皆さんは「他人なのにわたしのようだ」と誰かに対して思ったことはありますか?例えば、太宰治さんの「人間失格」を読んだときに「ここに自分がいると思った」と回答する人は多いと思います。時代は違えど、人間がもっとも共感するのは綺麗な物語より、気軽に打ち明けられないような愚かさや弱さだったりするのかもしれないなぁ、と思う今日この頃。ということで、今回はそんな共感度マックス!人間臭さと青臭さ、オー

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楽描き「タンポポ」

花壇の花を全部抜いて
君は言ったね
「これで、世話しなくて済む」って
金木犀の残り香だけが
亡霊みたいに漂っていた

横断歩道を渡れなかった
わたしの横を
右手を上げて君は渡っていく
その後ろを歩いていれば
安全な気がしていたんだ

いつも正しいを決めるのは君だった
いつもわたしを見下ろす君だった

そして、時が経ち
君が抜いた花壇にポツンと
抵抗するように咲くタンポポ
もっと咲けばいい
何度も抜

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