SETAの日々煩い

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前髪のおまじない

学生時代、いつも前髪を気にする友達がいた。

彼女の前髪は目のギリギリ上のラインで綺麗に切りそろえられていて、ポケットには折り畳みの小さな櫛を入れている。そして、度々それを取り出してささっと前髪を整えるのだ。だから、その子の前髪はいつも完璧だったし、さらに本人は「朝に軽くスプレーで固めてるんだ」と言っていた。

彼女は、まさに前髪のプロだった。

でも、話している途中でも前髪を触っているとなるとさ

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窓越しの住人

はーい、いくよー!の掛け声の直後。
「ガッシャーン!ゴロゴロゴロ!」
ここ最近、家の周りが騒がしい。どうやら家を取り壊しているらしい。というわけで、現在、わたしは、ショートケーキのように少しづつ欠けていく見知らぬ人の家を眺めながら生活しています。

ところで、みなさんは
家を壊す様を見たことがありますか?
わたしは、今回が初めてです。

初めてこの様子を目にするまでは、家を壊すと言ってもハンマーで

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プチイラスト展 vol.2

最近、ものすごく友達との会話を欲している。

けど、自分から軽いテンションで連絡する文言がわからない。「元気ー?」も違うし「今なにしてる?」も白々しい。そうしてLINEを開いて悶々としていたら、奇跡的に友達から連絡があった。

「渋谷で、SETA見つけたんだけど!」というメッセージに写真もつけて。

渋谷のいろんな場所のビジョンで私のイラストが展示されるようになってから、この類の連絡が届くようにな

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旅立ちの日に

転校、卒業式、恋人との別れ、休学、上京…。
わたしの人生で起きた旅立ちの日を挙げるとせいぜいこのくらいで、拍子抜けする。もっと、劇的で、感動的な旅立ちがあったはずなのだけれど、箇条書きにすると随分あっさりとしている。

わたしの旅立ちの日は、毎回とにかくバタバタしていた。ドラマや映画みたいなしんみり物思いにふけるなんてファンタジーで、実際は、準備に追われ、そのうちに飛行機なり新幹線なりの時間が迫っ

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お花の時給

先日、お花にちょっと奮発した。これでもかというくらい花びらの付いた存在感大のお花。

お値段を店員さんに聞くと「1本600円」と言われる。むむぅ…高い。とはいえ、花も季節によって変わってしまうし出会いなので購入。花は、リビングの一番目立つところに置いた。

しかし、この花、散りかたがなんとも不吉な散りかただった。どっぷりした花びらがいきなり「ぼとっ」と音を立てて落ちる。しかも、一枚ずつではなく数枚

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それでもピアノで歌いたい。

ピアノが上手ではない。そう、感じたのは振り返ると遥か昔、小学生の頃だったと思う。小学校に上がるまでは、お父さんとお母さんに褒められるだけで満足できていたのに、小学校に入ってからは「伴奏者」を巡るオーディションで勝ち残れないと満足できなくなった。絶対音感を持つ女の子、譜面を見ただけですぐ弾けてしまう男の子、ピアノの全国コンクールで優勝しちゃう男の子……これがのちに所謂「社会の海」への第一歩だと気づく

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プチイラスト展 vol.1

こんばんは、シンガーソングライターのSETAです。ただ今「しかくい涙」CD、絶賛発売中なんでございますが、今回ありがたいことにタワーレコード倉敷アリオ店さん、渋谷店さん、浦和店さんで、イラスト展を開催させていただいております。

…が!こういう状況ですので、「見に行ってください!」と素直に言えない…いや、見ては欲しいんですが、そのために外出して欲しくない…ということで、展示されている作品以外をこの

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最近読んで面白かった本

お部屋の模様替えに伴い、本棚の整理を始めたものの「あーこれ面白かったよなぁ」と作業を中断して読んでしまうので整理が進みません。

そんなSETAが、最近、読んで面白かった本をいくつか紹介しようと思います。

わたしの独断と偏見で選んでおりますので、失敗しても怒らない心の広い方は、ぜひ参考にしてください。笑

まず、第4位! #祝祭と予感 #恩田陸

この本は、大ベストセラー「蜜蜂と遠雷」のスピンオ

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10年後

10年前のわたしは、
コンプレックスが多く、傷つきやすい、どこにでもいる高校生でした。

そんな高校生が、失恋の勢いで半ばヤケクソになって受けたオーディションから早10年。

この一枚の応募写真と一枚のデモCDから、わたしの音楽人生が始まった…と考えるとなんだか自分のことなのに他人の話のようにも思えてきます。

音楽を始めて約10年が経った昨日、5/27にメジャーデビューシングル「しかくい涙」のC

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こどもの癖

子供の頃と変わった事と
変わらない事だと
圧倒的に変わったことの方が多い。

魔法使いになりたい、
とかもう言わないし
( 思ってはいるけど )
亀のぬいぐるみのことを
友達とも言わない。

だけれど、子供の頃の好みって
大人になった今も癖みたいに
残っている気がする。

例えば、初めて好きになった俳優さんは
江口洋介さん( わたしは当時6歳 )で
今も年上の人の方が好き、だとか。
親に必死にねだ

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